
100年以上前,たくさんの日本人がハワイに移住し,サトウキビのプランテーション(大農場)で働きました。昼食は「弁当」。アルマイト製の丈夫な弁当箱は2段重ねになっていて,下の段には白いご飯が,上の段には豆腐や漬物などの簡単なおかずが入っていました。
弁当箱
プランテーションでは,日本のほかにポルトガル,プエルトリコ,中国,韓国から移住した人たちも働いていて,みんなは昼食を交換しあいました。このようにして始まった食文化の融合は,現在まで受け継がれ,その代表が「ミックスプレート」または「プレートランチ」と呼ばれる料理です。これは,さまざまな民族の伝統料理をひとつのお皿に盛り込んだもので,そこには必ず白いご飯がついています。
サトウキビ畑で弁当を食べる人々
Gift
of the Roy Yonahara Family, JANM
ミックスプレートのように,民族のアイデンティティを尊重しつつ,それぞれ先祖伝来の独自性を伝えているのが,現在のハワイです。こうした移民の文化,そして原住民の文化,アメリカ本土の文化がブレンドされたライフスタイルを,ハワイでは一般に「ローカル」と呼んでいます。
この展覧会は,異なった民族,異なった文化に属する人たちが,ミックスプレートのようにお互いの生活スタイルを分かち合い,調和に満ちた文化をいかに創りあげてきたかを紹介します。