2016年9月29日

「ゴジラ起源考」

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新しい論文「ゴジラ起源考」(千葉大学大学院人文社会科学研究科編『千葉大学人文社会科学研究』第33号、千葉大学大学院人文社会科学研究科、2016年9月30日、44–60頁)を発表しました。どうぞご覧ください。

要旨 ゴジラ映画は、1954年の1作目ののち30作品近くが公開され、多くの観客を動員してきた。また、ゴジラ論もよくおこなわれてきた。本論は、香山滋の原作「G作品検討用台本」を中心に、ゴジラの起源を考察した。その結果、原作にある、熱河省、元北京大学教授、大戸島と、映画のシーンに見えるゴジラの足跡、トリロバイトを手がかりに、ゴジラが1930年代から1940年代前半の満洲国における地質古生物学の「栄光」に内在するものであった可能性を導いた。くわえて、映画製作への地質古生物学者の関与を詮索し、さらにゴジラの物語に明暗の構造があること、登場人物山根恭平にも明暗の構造があり、明暗の展開が原作とそれ以外とでは異なることを示した。その上で、従来のゴジラ論を批判的に検討し、原作者のゴジラが「北」を起源にして「南」からあらわれ「北」に消えたことを結論するとともに、そこに「自然史の存在」としてのゴジラの完全を見た。(同論文、44頁)

内容
はじめに
1. ゴジラ論
2. G作品検討用台本
 熱河省
 恐竜化石
 元北京大学教授
 大戸島
3. 足跡とトリロバイト
 足跡
 トリロバイト
4. 地質古生物学者とゴジラ
 鹿間時夫と尾崎博
 遠藤隆次
5. ゴジラの構造
 明暗の構造
 山根の明暗
 満洲国と戦後
おわりに
 最初から可愛いゴジラ
 亡霊、台風
 植民地主義の忘却
 香山滋の「南」と「北」

2016年4月28日

『藤山一雄の博物館芸術――満洲国国立中央博物館副館長の夢』刊行

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藤山一雄の博物館芸術――満洲国国立中央博物館副館長の夢

藤山一雄の博物館芸術――満洲国国立中央博物館副館長の夢

犬塚康博著
共同文化社
四六判 336頁
本体3200円+税
978-4-87739-283-3
2016年4月16日刊

Museum as Artistic Creation by Kazuo Fujiyama: Dream of Vice Director of National Central Museum of Manchoukuo
(C)2016 Yasuhiro Inudzuka printed in Japan
ISBN 978-4-87739-283-3

http://www.orenest.net/booknest

2013年5月26日

「観覧料/入館料」、その後。

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「観覧料/入館料」の件、5月15日または16日に「ご意見・ご提案 | 清須市」のフォームから総務部防災行政課宛下記(下書き※)をたずねる。(※下記をフォームに入力後、推敲した可能性があるが、控えていないため下書きとした。)

前略 「清須市夢広場はるひの設置及び管理に関する条例」は美術館において教育委員会が主催して展示する美術品等を観覧しようとする者(以下「観覧者」という。)は、別表第2に定める額の観覧料を納付しなければならない」と定義しています。屋外展示を除き通常同館では、館内の展示室に美術品等を展示しており、用語の「観覧料」は美術品等を展示する会場(展示室)への「入場料」の意と理解するのが法制度上妥当です。他の博物館・美術館条例のケースから見てもこれは首肯されます。

しかし同館は、当該「観覧料」を入館と同時に徴収します。入場料システムを定義しながら、入館料システムを実施していることになります。他の博物館・美術館条例のケースでも、入館料システムを採用する場合は「観覧料」の用語ではなく「入館料」の用語を採用しています。

同館は、制度と運用上の実際において不整合が見られるわけです。仮にこの不整合が成立する場合には根拠となる「要綱」のごとき一定の代決権に基づいた文書が必要ですが、その存否について「あるだろう」(栗本課長補佐)という曖昧な回答しか得られませんでした。当該根拠文書がなかった場合、現状は恣意的な運営をしていると言わざるを得ません。しかし、市は民間の私企業ではありません。

本件については、すでに同市教育委員会生涯学習課に問い合わせをし、高山係員が受け、のちに近藤係長が回答され、さらに別に栗本課長補佐が回答されました。そこで、例規の論理の問題として貴職の見解を求めるものです。上記不整合が存在しないとされる場合はその根拠を示してくださいますよう。また、上記不整合が存在するとされる場合は解決策をお示しくださいますよう、お願い申し上げます。不一

5月21日、防災行政課を発信者とするメール添付の回答文書2通を受領。原文はWord文書。

以上

2013年5月16日

観覧料/入館料

Posted by fische in Activity, Theory, 備忘録

以下はツイッターにポストした記事の再録。

備忘録。「清須市夢広場はるひの設置及び管理に関する条例」は美術館において教育委員会が主催して展示する美術品等を観覧しようとする者(以下「観覧者」という。)は、別表第2に定める額の観覧料を納付しなければならない」 http://t.co/pjuG1SAHQF と定義する。

通常同館では、屋外展示を除き館内の展示室に美術品等を展示しており、用語の観覧料は美術品等を展示する会場(展示室)への入場料の意と理解するのが法制度上妥当である。しかし同館は、当該観覧料を入館と同時に徴収する。入場料システムを定義しながら、入館料システムを実行している。

これは、「立法の原則」と「行政の運用」との不整合である。現状は、条例違反、恣意的運用となる。これを正すためには、立法の原則を行政の運用に合わせる、つまり条例改正または然るべき代決権に基づいた要綱等の制定をおこなうか、行政の運用を立法の原則に合わせなければならない。

条例を作文する際、他例を参照することはよくある。惟うに本例は、世に一般的な入場料システムを採用している条例を転用したのであろう。地方自治は住民の政治訓練の場であるとする理論に照らすと、地方自治政府の職員それ自体の政治感覚、政治実践の稚拙さが浮き彫りになる。況や住民をや。

ちなみに入館と同時に料金を徴収する網走市立郷土博物館は、「博物館の入館者は、次に定める入館料を納入しなければならない」 http://t.co/TkaTGA6FPA と明確に入館料を定義している。先行例は、制度と運用を正しく整える。それを忘れて詭弁を弄する後発例は悲しからずや。

2011年2月4日

大衆、消費、博物館

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わが国の博物館にマネジメントの必要が喧伝されるようになって約20年になる。初期の理論的作業ののちのケーススタディは枚挙に暇がないが、その後も理論は生成され続けているのだろうか。この問いは、とりわけてマーケティング理論に対して発せられる。大衆の存在様式の変化に応じ、博物館のマーケティング理論は代謝しているか、と。
1970年代後半に伊藤寿朗が主張した地域志向型博物館すなわち地域博物館は、1960年代後半以降わが国に進行した大衆社会化と消費社会化を反映した博物館論であった。それがニーズ志向型かつシーズ志向型であったことを顧みれば、すぐれてマーケティングの理論だったことに気づく。
この地域博物館論に第三世代の博物館論を動員した『ひらけ、博物館』、つぎに企業博物館論、そしてミュージアム・マネジメントという、1990年代前半に継起した三者は、博物館外的な大衆社会化と消費社会化を内面化して生成した。「20世紀日本の博物館に関する研究」で書いたように、「博物館法的な戦後了解の崩壊という意味において、まったく軸を一つにする事態であった」(125頁)のだ。

2009年10月14日

Double Arrangement

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新井重三は、昭和33年の論文でダブル・アレンジメントを説いた旨、のちの論文で書いている。しかし、これに書誌情報はなく、たずねられたため調べてみる。次がその論文と思われる。

新井重三「博物館における展示の基本的な7つの問題点とその解決法-再びDouble Arrengementについて-」『博物館研究』第31巻第3号、日本博物館協会、1958年3月20日、2-12頁。

サブ・タイトルに「再び」とある。文中に、「筆者は既に、Double arrengement(二重配列)について述べたことがあるが、(註)」(9頁)と書くものの、肝心の(註)は欠落している。さらに調べると、次の論文にゆきつく。

新井重三「わたくしの博物館学-綜合展示の原理と発展について-(その二)」『日本博物館協会会報』第21号、日本博物館協会、1953年5月1日、47-55頁。

2009年10月13日

鶴田総一郎と’art official’

Posted by fische in History, Theory

新井重三のダブル・アレンジメント論文を探していて遭遇。第一に、・・・【以下の閲覧にはログインまたは登録が必要です。】

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